「優里は渡さないもん!」
と、崎本くんに宣戦布告(?)してやった。
崎本くんは私を剥がそうとしてる。
だけど、そう簡単には剥がれないもんね!
「理衣奈ちゃんには棗がいるじゃん。ねっ?」
「…は……い?」
さっきまで強く抱きしめていた腕の力が弱まる。
これを狙ったのか、その瞬間崎本くんが優里を自分の方に寄せた。
「棗ー、理衣奈ちゃんが寂しいってー。おい、お前寝てんなよなー」
と大声で言うと、優里を連れて自分の席へ行ってしまった。
…注目を浴びる私と棗くん。
皆が私を見てると気付いてボボボッと顔が赤くなる。
そんな私を、優里と崎本くんはニヤニヤしながら見て、棗くんの方に視線をやった。