「希実、空を見て。」 どこからか、優貴の声が聞こえた気がして、部屋のカーテンを開けてみた。 ・・・虹。 突き抜けるような青い空には大きな虹がかかっていた。 「・・・優貴にも、この虹は見えてるの?」 誰もいない部屋に私の声だけが寂しく響いた。 ねぇ、優貴。 私は今でも大好きだよ、優貴のこと。