「俺、好きな奴できたんだ。別れて?」


「………え?」

「いや、だからさぁ。茜(あかね)のこと好きだけど、それ以上の子が現れたんだよな」


「…は?」

「は?じゃなくって。俺そいつと付き合うことになったからさ。だから、別れて?」


秋空の下。

大学の中庭で、彼氏と昼食を取っていた私は今、とんでもない告白を受けている。


食堂で買った焼きたてパンにかぶりついた格好のまま、彼氏を凝視してる私は、かなり動揺してて言葉が出てこない。