涙が溢れてきた。





あと…………











2ヶ月









「威琉はそれを聞いて、『俺、未夏に気持ち伝えなきゃ』って言ったのよ」






うそ……そんな………






「私っ…私何も知らなくて……威琉のこと……」







「いいのよ?威琉は未夏ちゃんといれることだけで、幸せだって言ってたから」







だから告白した後
毎日毎日私を誘ってたんだ






「いままで言えなくてごめんね?威琉がドウシテも未夏ちゃんだけには教えるなって……」








「威琉……ごめんね。気づいてあげられなくて…
私が一番近くにいたのにね……
あのね…。威琉?
私、威琉の事好きだよ?
世界で一番あなたが好き。
でもね…威琉。あなたがいないと意味ないの……
起きてくれなきゃ困るの…

ねぇお願いっ…!!
目を覚ましてっ
私を幸せにしてよぉ……」





私は崩れ落ちた





「未夏ちゃんっ
ありがとう。ありがとうっ…」





おばさんは、
私を優しく抱きしめてくれた。








「威琉。早く起きないと、未夏ちゃん、
 誰かに取られちゃうわよ?
 あなたが幸せにするんでしょ?」





「おばさん?私は威琉から一生離れません。
 威琉は死にません。私が死なせません。」






「ふふっ。心強いわ。」





おばさんと、話した後
帰る事にした。





「また来るね、威琉。」





私は病院を後にした。







それから私は毎日、学校が終わった後、
威琉のいる病院に行った。






まだ眠っている威琉に、私は一生懸命話しかけた。






そうするといいってお医者さんが言ってた。






こうして1ヶ月は経った。






いつものように病院に行き、威琉に話しかける。






「今日も天気いいよー!威琉も早く起きてみなよー」






そう私が言うと、威琉の手が少し動いた。






「えっ・・・。威琉!?!?聞こえる?未夏だよ?」






「っ・・・」







威琉が・・・威琉が・・・







「威琉!!分かる??」






「み・・・か・・・?」









涙が出てきた。



久しぶりに愛しい人に名前を呼ばれたから・・・




「よかっ・・たぁ・・。私、先生呼んでくるから!!」




先生は「未夏ちゃんのおかげだ」と言ってくれた。





それからというもの、威琉はすごい回復力をみせた。





威琉が目を覚まして、3週間後。





「なぁ未夏。俺1週間後退院できるって!!」







「ほんとー??やったぁ☆」






「未夏、ありがとな。」






そう言って大きな手で私の頭をなで、抱きしめてくれた。






「ううん。威琉が頑張ったからだよ。おめでとう。」






「これからは俺達ずっと一緒だ。」






「うん。未夏、幸せだぁ」





「そうか?俺はな、未夏の幸せが俺の幸せだ。」









ねぇ、威琉?あなたはそう言ってくれたよね?






”ずっと一緒だ”って・・・。










































じゃあどうしてあなたは、今私の隣にいないの・・・?







退院当日・・・


















































威琉は逝ってしまった









容体が急変したんだ。






”死んだ”なんて言いたくない。






威琉は逝ってしまったんだ・・・










ちょうどその時が、ガンを宣告されてから
半年が経った頃だった。







威琉が逝ってしまう前、私は威琉のそばにいなかった。







学校が長引いてしまったから。







学校が終り、病院に向かおうとした時ケータイが鳴った。





「未夏ちゃん!!威琉が・・・威琉がぁ・・!!」







私は急いで病院に行った。









でも・・・遅かった。





私が着いた時には・・・もう・・・。







私が威琉の頬に手を添えると






威琉の目から・・・一筋の涙がこぼれた。




戻りたい、あの頃に




あなたの笑顔をもう一度見たいよ。




あなたの声をもっと聞きたいよ。




こんな小さな願いすら、もう叶わないの?




戻れるものなら、もう一度あの頃へ。




おなたに伝えきれなかった思いを伝えに・・・





大切なものは、「大切だった」と、失ってから気づく。




あなたが側にいる事は「あたり前」



あなたの存在自体が「あたり前」だった。




毎日一緒にいた。先のことなど知らずに。





気づいた時にはもう遅い。





あなたは・・・いない





今私は後悔でいっぱい。





もしあなたがいてくれたら、





私は何だってするのに。


大切な気持ち

を読み込んでいます