後ろにりさをのせ
りさの家まで自転車を
走らせる。


時刻はよる8時。
やや辺りも暗くなっている。


風で周りの草木が
ゆれる音がやけに
耳に響く。


明日から始まる
新しい法律とやらが
頭では理解しているつもりだが
実感が湧かない。


だが死という存在が
今まで以上に
身近な存在になることは
間違いない。


おれたちの町の誰かが
1日1人死んでいく。


それはおれが知ってる
誰かかもしれない。
友達かもしれない。
もしかすると
おれ自身かもしれない。


恐怖を拭い取るかのように
おれは自転車を
より強く漕いだ。