下駄箱で上履きから
下靴に履き替え
学校を後にしようとした時
1人の女が目に入った。


片山なぎさだ。


おれは気付いたら
片山なぎさの腕を
掴んでいた。


『おい。片山。
お前なんであんな質問
したんだよ。』


片山なぎさは冷静に
受け答える。

『思ったこと聞いただけ。
後で知らなかったとか
分からないことあると
いやだから。』


『何であの状況で
冷静でいられるんだ!
そんな質問できるんだ!
お前はあの男の言う
新しい法律を認めるのか!』


ついつい口調が
強くなっていく。

『話聞いてた?
認めるも何も
あの法に背けば
処罰がくだるのよ?
なら従うしかないじゃない。
それには知らないことが
あるべきじゃない。
それにこれによって
もしかしたらいい世の中に
なるかもしれない。
別に自分が悪いこと
しなかったら
死ぬこともない。
そうでしょ?』


たしかにそうだ。
今まで通りの生活を
していればまず
自分が処罰を受けることは
ないだろう。
だがこの法はおかしいと
みんな思うべきだと考えが
片山なぎさの行動が
許せずにいたのだ。