またもや体育館が騒つく。
騒つくというよりも
悲鳴のような声が飛び交う。


先程は冷静に騒ぎをおさめた
先生たちも
誰もこの騒ぎをとめる者もいなく
生徒同様に
あわてふためいている。


この騒ぎは何分間か
おさまることはなく
その間だれも
とめるものもいない。




バンッッッッ!


男がステージの台を
叩く音で
ようやく体育館が静まる。


『すみません。
話を続けさせて
もらってよろしいですか?』


校長先生の方へと顔を向け
男は落ち着いた声色で
尋ねる。



『…どうぞ。』

声を振り絞ったように
小さな声で校長先生が
返事をする。



とりあえず話を
聞くしかない。
混乱しかけた頭を
何度か叩いて
その男の話におれは
耳を傾けた。