教室に入った頃にはすでに
授業が始まる1分前だった。


おれとりさは各自席につき
授業の始まりを待った。



チャイムがなり
先生が入ってきて
始まりの挨拶をかわす。


『みなさん。
今から急遽全校集会を
行いますのでただちに
廊下に並んで
体育館に移動してください。』


思いもよらぬ
先生の言葉に
クラス中が騒めきはじめる。


『静かに!
急いで並んで
移動してください!』


先生の大きな声に
騒つきもおさまり
ぞろぞろと列をなして
体育館まで歩き始める。


『なんだろうね。
全校集会なんてめずらしい。
何かあったのかな。』


列の真ん中らへんを
歩いていたおれに
後ろから小走りでりさが
近寄ってきた。


『さぁ。
別にたいした事じゃないだろ。』





すでに始まっていた。

まだこの時は
気付いてなかった。

すぐにおれたちの
世界は変わる。






おれは全てを失う。