「なぁ・・美優?もし時間を戻せるなら・・きっとオレはあの騒動を望まない・・・。」
「うん・・・。」
それは私も同じだよ・・・。
「でもきっと・・オレは・・おまえが望むなら、また『うん』って言ってしまうんだ。」
「え?」
なに?
首を傾げていると、テルの体がフワッと私を包み込む。
「テっ・・テル!?人が・・・」
慌てる私。
「どんなカタチでもいい。今度こそおまえから離れない。」
「え・・・。」
固まる私。
「連絡しなかったのはその覚悟があったからだ。」
「・・・・。」
「おまえは『結婚』だけじゃ受け入れてくれない。『兄』としてのオレもセットでないと。・・・だろ?」
何それ・・・。
ワケ分かんない。
「・・・・じゃぁ・・・時間を戻して、私が『お兄ちゃんとしてそばにいて』って言ったら、『うん』って言うの?・・・あの騒動が待ってるとしても?」
私のイジワルな問い掛けにテルは困ったような笑みを浮かべる。
「言うだろうな?それがおまえの望みなら。・・・そしたら、またオレがおまえを受け止めてやるよ。どんなに辛い過去でも、あの出来事が無駄だったなんて思わないから。」