「分かってたさ。おまえの気持ちくらい。親父さん差し置いて自分ばっか・・なんて出来ねぇ奴だもんな。」


「・・・・。」



テルの苦笑いに胸が苦しい。



「ハハ。あん時のオレの気持ち分かるかぁ?これでもすっげぇ我慢してたんだぞ。」


テルが私の頭を笑いながらかき回す。


「・・初めて『お兄ちゃん』って呼んでくれたのに、全然嬉しくなかった・・。そんな『関係』オレは望んでなかったんだ。オレはおまえの『兄』じゃなくて『彼氏』になりたかった・・・。」


「・・・・っ。」



動きを止めたテルの手が震えている。




きっと・・テルも同じ後悔をずっとしてきたんだ・・・。


あの時素直になってたら・・・別の未来があったかもしれないって・・・。


私の騒動に責任・・感じてたんだ・・・。




けど・・・