微かに背中に触れられたのが、すぐわかった



思わず後ろを振り向くと、すぐ間近にロングヘアーがいた



ロングヘアーの手のひらの体温が、徐々に俺に伝ってくる



瞬きもせずに真っ直ぐとした目で、見つめてくる



「なんだよ」



俺が言うとロングヘアーは口角をあげた



「言葉では生意気なことしか言えないから、せめて近づいてみた」



俺の心を読み取るみたいなロングヘアーの瞳に思わず、身を引いてしまった




積極的にも程がある




「やめろよ」



「冷たいな。こんな美少女に言い寄られて嬉しくないの?ドキドキしないの?」


ロングヘアーは余裕の表情でむしろ俺を試すようだ



「しねーよ」



嫌気がさした声で俺はロングヘアーの肩を押した



すると、ロングヘアーは初めて、すねたような顔をした



「性格なおそうかな…」



「は?」



思いもよらない彼女の言葉に俺は聞き返してしまった