気づいたら辺りは真っ暗で、公園の頼りない電灯だけが光を放っている
公園の外をたまに人が通るけど、その数は少なかった
「どうだろうね」
「どうだろうって…」
試すようなロングヘアーの物言いに、俺が文句を入れようとするとそれをロングヘアーがかき消した
「だって、あたし初めてなんだもん。好きな人できたの」
「は?」
「あ、また信じてない顔してる」
ロングヘアーはそう言って、俺を指さした
「だって、じゃあ勘違いじゃねーの」
「勘違い…。初めはそうだと思ったよ。しかもあなたは春菜が好きだしね。あえて友達を好きな人好きになりたくなかったし」
「…ふーん」
「だけど、助けられた次の日から、あの日ことが常に頭から離れなくて…。しかも須釜じゃなくて、あなたばっかりなの。学校で春菜に会うと、無性に羨ましいような悔しいような…どうしようもない気持ちになった。またあなたに会いたくなって、会ったら…、あたし…」
「…」
「あたし、あなたを誰にもとられたくないって思ったの」