ロングヘアーは若干表情が険しい



そう聞かれると元はといえば、何が原因で何がきっかけで好きになったんだろう



自分の気持ちに気づいたのは、鍵を渡してくれたときだった



だけど、いきなり気になって、好きになったから、なんでって改めて聞かれると答えに困る




「あなた男にしては珍しく、中身重視するタイプ?あたしに好きって言われても、嬉しくないの?」



白々しく自信満々なロングヘアーに、俺は呆れる



「別に中身、外見どっちとか、気にしたことねーよ」



「じゃあ、なんなの?」



「わかんねーよ、んなもん。朝、見たときになんとなく…」



それを聞いた途端、ロングヘアーは目を見開いた



「朝ってことは、登校中のとき?嘘、助けてからじゃないんだね」




俺はしまった、と思った


つい口が滑って正直に言ってしまった



「ふーん。それって一目惚れってこと…?よくわかんない。あたしも隣にいたはずだけど」



「お前、その自信過剰直したほうがいい」




俺は呆れながら言った



友達いないの、納得する