春菜は顔をしかめた
その顔は、本当に俺とロングヘアーが上手くいけばいいと思ってる顔だった
春菜はさっき俺をひどいなんて言ったけど、ひどいのはそっちのほうだ
なんて残酷だよ
嫌でも、春菜が俺を恋愛対象外に見てるのがわかる
しかもこの先ずっと、恋愛対象外なままにさせようとロングヘアーは思ってる
なんでそこまで俺を気にくわない?
なんで春菜は俺が思うように俺を思ってくれないんだよ
「愛ちゃん可愛いし、絶対2人お似合いなのにな」
春菜がそう小さくぼやくから、俺はもう我慢できなくなった
複雑な感情が今にも破裂しそうになる
「…俺、今日はこのまま帰るわ。ごめん」
それだけ言って、対して春菜の顔も見ずに方向転換した
春菜は戸惑ったようだったけど、俺は振り向かなかった