「G大学!? ってあの有名な?!」

翌日、私は同じバスケ部のマネージャー仲間だった友人に昨日のことを話した。

「そう。スカウトされたんだって……」

「へー……仁科(にしな)君すごいなー。あれ? でもG大学って……」

「A県」

「だよねぇ……芽衣、遠距離じゃん」

そう、これが素直に律の桜花大学行きを喜べないわけ。

遠距離恋愛。

こんなことが自分の身に降りかかってくるなんて思いもしなかった。

「仁科君、なんて?」

「別になぁんも。何も気にしてないと思う」

「あー……仁科君らしいね」

「うん……」

「芽衣も大学決まってるし……仁科君も同じとこ受けるんじゃなかったっけ?」

「受験しないでG大に行くんだって」

「あらー……」

「G大なんて、遠すぎるよ……」