その日の夜・・・・
いつもはきちんと定刻通りに会社をでて
遅くても6時30分には家にいたお父さんが
何の連絡もなく帰ってこなかった。


あたしはわからなかった。


「お母さん。お父さんなんで帰ってこないの??」
「亜海。お父さんは遠くーにいったのよ?」
「遠・・・く・・・・?亜海をおいて???」
「・・・・・・・そうよ。」
「・・・・・」


悲しさがこみ上げてきた。
やがてその感情は
小さなあたしの体の中におさまることなく
小さな水滴となって目からあふれ出てきた。


「お父さん・・・・帰ってきて・・・・」


そのときも、小さいながらになんとなく・・・・
なんとなくではあるけれど
心の中で
お父さんはもう帰ってこない
ってわかってた。





それがなおさら悔しかった。