「くす。こんなことしてるとまるでバカップルみたいだね」
お互いの存在を再確認するように抱き合う私達はきっと、周りにそう思われてるもしょうがない。
それでも陽生が遠慮なしでどんどん頬やらこめかみやらにキスをしてくるから、私はくすぐったくてたまらず目の前の胸に顔を埋めた。
「よかった、周りに人があんまりいなくて…」
「そう?俺はむしろ見せびらかしてもいいぐらいなんだけどな?だってこんな可愛い奥さんが目の前にいるんだから…」
「もう……」
本気で照れる…
今日の陽生は本当に甘すぎて、見つめられただけで心も体もドロドロに溶化されてしまいそうだ。
「いっそこのままベッドに連れ込んで果歩の隅々まで口づけたいぐらいだよ」
「もう!」
かぁ~っと体中が熱くなる。
本気で勘弁してほしい…
陽生の溺愛っぷりは今に始まったことじゃないけれど、それでもこんなあからさまな態度を示されると、身体中からふにゃりと力が抜け落ちてしまいそうだ。