だって、きっとこれが最初で最後の母が私にくれる最高のプレゼント。
そう思うと余計胸がいっぱいになってしまい、この後どんな顔をして母を見たらいいか分からなくなった。
慨に涙が溢れだしそうになるのを必死で堪える私は
「叶うなら、果歩の赤ちゃんを見てから逝きたいわね」
「っ……」
こらえきれず鼻をすすってしまった。
だから反則だってば!
たまらず陽生の服を握りしめると、そんな私を見た陽生がとても穏やかな顔でぽんぽんと頭を撫でてくれた。
「大丈夫ですよ。自分さえ前向きに、もっと生きたいと思ってさえいれば余命なんて関係ない。1年でも2年でも長生きしてる人達はたくさんいますから。現に今までそんな奇跡をこの目でちゃんと目の当たりにしてきましたからね」
「……」
「それより果歩のことを思うならもっと笑ってください。心からの笑顔は自分を幸せへと導く最高の治療です。身体が活性化されて、免疫力だってアップする何より効果的な薬ですから」
そんな言葉に胸の奥が熱くなる。