「陽生」 「ん?」 「ありがとう」 顔を上げた果歩が至近距離で優しく笑う。 儚げで、少し潤んだ透き通った瞳。そんな表情に思わず見惚れていると 「―――」 突然ふいをつかれたように唇を塞がれた。 優しく、そっと重ねるだけの甘いキス。 俺はハッとして、思わず目の前の果歩に目を丸くする。 「果――」 「クス、しちゃった。どう?驚いた?」 ニッコリほほ笑まれ、俺はやっぱり驚いた顔を向ける。