おいおい。



「どうした?少し変だぞ。やっぱりどこか調子でも悪いのか?」


「ううん、違う。……ただ、最近家に帰っても一人だからあんまり食欲がわかなくて、それより、ねぇ。もう一度触ってくれない?」


「え?」


「お腹、どこか異常がないか診て……くれる?」



そう言われ、俺は半信半疑のままそっとそこに触れる。


その瞬間やっぱり体を強張らせた果歩に疑問に思いながらも



「なに、お腹の具合がよくないのか?どこか痛む?……もしそうなら静香に頼んで病院で……」


「ううん」



首を振った果歩にやっぱり驚いてしまう。


なんて顔してんだよ……


そう思うぐらい、目の前の表情からは涙がこぼれ落ちそうになっている。



「果……」


―――コンコン。