「たく……、しょうがない奴だな」
「あは、やーっぱり2人だとすぐに終わっちゃうね。だって陽生弱いし」
トランプを片づけると、果歩が少し笑って俺の腕にしがみ付いてきた。
甘く柔らかな果歩の香り……
やっぱり今日はどことなく雰囲気が、甘い。
「う~ん、遊んだら少し眠くなってきちゃった」
「なに?それって誘ってんの?」
「くす、そうかもねって言ったらどうするの?」
横からやんわり見つめられて、俺はたまらず顔を近づけた。
「じゃあ、こうする」
「………」
指先で顎を持ち、そのまま黙って柔らかい唇を塞ぐと、背中にぎゅっと果歩の腕が回り込んでくる。
柔らかい……
それがいつもにまして心地よくて、俺はよりいっそう深く唇を押し当ててしまう。