その日はずっと一緒だった。
いつにも増して会話が楽しく弾む。
お互いひっきりなしに笑い、いつも以上にピッタリとくっついて離れなかった。
「なんだよ、今日はやけに甘えたなんだな」
「くす、そう?まぁ、たまにはね」
お互いベッドの上で笑い合う。
向かいに座い、トランプを眺める果歩を思わずじっと見つめて、目を細める。
「はい、次は陽生の番だよ」
「ああ」
残り二つ……
何気なく右側を取ろうとすると、なぜかニヤッと笑った果歩が左側の方を前に差し出してくる。
「おい、それじゃ勝負にならないだろう……」
「あれ?そう?おっかしいな」
さっきからこの調子。
わざとジョーカーを取るように仕向けられて、俺は何度目かの苦笑いをこぼす。