「ねぇ、なんか果歩ちゃんおかしくなかった?ていうより少しやせた?」
「え?」
その言葉に顔を上げると、とても神妙な面持ちの静香が言った。
「なんだか顔色もあまりよくなかったっていうか……ねぇ、ちょっと陽生、果歩ちゃんのことちゃんと見てるの?」
「見てるよ……」
と、言いたいところだけど、実際どうなのか微妙なところだった。
なにせこの状態……
ずっと病院にこもりっきりで、家にいる時と違い果歩と顔を合わす回数が断然と少ない。
それに次から次へと色んな事が起こり、正直俺もいっぱいいっぱいだったから。
「そう、ならいいけど……でもね。何か嫌な予感がするのよねぇ……。このまま何も起こらなきゃいいけど?」
そんな言葉を聞きながら、帰って行く静香に難しい顔を向けた俺。
そして1時間前静香から受け取った書類……
それを引出しから出しながら、俺もまたさっきの果歩の姿を思いだし、少し険しい顔をせずにはいられなかった。