「君さえいなくなってくれればすべてが上手くいくんだよ」


「――――」


「何もかもが元通りになるんだよ。だからーー」



あ……


その瞬間今までこらえてたものが一気にひっくり返ったような気がした。


不安。


そして大きな恐怖。


とてつもない憤り。


考えたくないのに、脳裏にこびりついてしまう。


それは昨日、陽生のお父さんにも言われたもので、ずっと胸に引っかかっていた容赦ない言葉。




私さえいなくなれば――…