彼女の声に、一瞬店のざわつきが静かになる。


そして注がれる多数の視線。


目の前のバーテンも動きを止め、シェイカーを振るの忘れて、俺達に目を丸くしている。


けれど、そんな中一番驚いてるのはこの俺で




「先生、私……」


「ちょ、ちょっとストップ!」



今にも襲いかかってきそうな彼女に、たまらずストップをかける。


別に酔っていた訳でもないのに、一気に目が覚めていく感覚。


サーっと背中から体の体温が低下するのを感じて、俺はすかさず彼女の手を引き離した。