「いや、別にいいんじゃない」
幸せなら何よりだ。
俺はそう告げて、写真を彼女の方へと移動させた。
元カノ……志乃と彼女は同じモデル事務所の先輩後輩という仲だ。
彼女は志乃ととても仲のいい関係だった。
そして何の縁の巡り合わせなのか、そんな関係もあり、その当時は時々3人でご飯を食べに行ったりしたこともあったっけ。
彼女のことを妹みたいに可愛がっていた志乃。
だから、多少なりとも彼女とは親しくなかったと言えば嘘になるかもしれない。
「……本当に?」
「ふっ、そんなこと嘘ついてもしょうがないだろ」
つーか寂しいも何も、今の今まで志乃の存在は忘れてた訳だし。
俺の中ではとっくに終わった過去の話しだし。
別にドロドロと嫌な別れた訳でもないから、遠い昔のいい思い出にしかすぎないよ。