「はっ、志乃?」
「はい、先月ハワイで結婚式あげたんですよぉ」
嬉しそうに見せられて、俺は一瞬目を丸くする。
それもそのはず、何を隠そう、そこに映っていたのは紛れもない俺の元カノ……
果歩と出会うちょうど1年前まで、恋人として付き合っていた人物だ。
「ふふ、綺麗でしょう」
「あー……てか、あいつ結婚したのか」
ま、そりゃそうだよな。
俺と別れて3年、歳も俺と同じとくればそうなるのは必然的だよな。
付き合ってた時も、何気に結婚願望が強かった気がするし。
「少し寂しいですか?」
「えっ?」
「それとも複雑?」
ん?と顔を覗きこまれて、俺はゆっくりとカウンターに写真を置いた。