「ちなみに俺、そこの社長ね」
「え?」
「こんななりしてるけど、一応そこの若社長やってるからよろしく」
よろしくって……
顔が引きつり、とてつもなく怪訝な顔を向けてしまった。
だってこの人が、CREERSの社長!?
「ま、そういうことで、親父の代から椎名社長にはうちの会社をごひいきにしてもらっててさ。……ちなみに、ここのホテルのベッドやソファーその他もろもろ全ての家具をうちのものであしらえてもらってるしね」
もう一度クスリと笑う彼を見て、さっき以上に青ざめていくのが分かる。
この状況の経緯はなんとなく……分かった。
そしてこの人がとんでもなく凄い人だってことも。
でも……
宮川さんの言葉を聞けば聞くほど、ショックを受けずにはいられない自分に気付き、私は思わず下を向く。