「!?」
そのスマートすぎる仕草に、私はビックリして後ずさりする。
だけど宮川さんはそのまま後を追うように、私を壁際に追いやってくる。
密室で、こんな狭い空間だから、逃げようにも逃げられない。
「ちょっ……!」
「うん、そうそうこの顔だ。あー…本物だ、やっと会えた」
私を挟むようにして、手を後ろの壁に付けた宮川さん。
じっと吟味するように見下ろされて、ヒヤッと嫌な悪寒がはしる。
「やっ、離しっ……」
「ふっ、やばい、想像以上に可愛いわ。あの時、社長にダメもとで頼んでみて正解だったよ」
「えっ……」
「……まだ分からない?今日、君がここに呼ばれたのはこのためだよ。俺に会うために。社長がわざわざセッティングしてくれたの」