思い出した私はぎこちなく頭を縦に振った。



「実はさ、そのパーティーに俺もいたの。そんでもって君に一目ぼれしちゃってさ」



えっ?



「静香さん達と一緒にいたよね。会場で何回かすれ違ったんだけど、覚えてない?」



覚えて……ない。

てか、そんな余裕これっぽっちもなかったし。



「その時にさぁ、何かこうビリビリっときちゃったんだよねぇ。かなりドストライクっていうか、ああやばい、持ってかれたなって……」


「……?」


「心をさ、まさかこの年になってこんな気持ちになるなんて思ってもみなくてさ」



宮川さんが思い出したようにうんうん、と頷く。


そして何を思ったのか、私の手の甲を持ち上げて、そこにさりげなくキスをした。