その言葉に私は首を傾ける。


エレベーターに乗り、密室な空間になったところで、私は少し距離を取りながら再度疑問を投げかける。



「あ、あの、これっていったい……、な、なんなんですか!?」



なぜだかじんわりと嫌な汗が滲み出た。


視線が合わさり、妙な予感がする。


だって、あからさまに違う。


雰囲気がさっきの佐渡さんとはまるで運転手って感じじゃないんだもん。



「宮川」


「え?」


「名前、宮川恭介よろしくね」



……みやがわ、きょうすけ?



突然名前を言われ、困惑する私。


ますます意味が分からない。


知らぬ間にまた距離を縮められて、ドキリと警戒反応が出てしまう。