途端青ざめていく私……



「な、何って、別に何もないけど?」



両肩がピクリと上がる。

自分でも声が上擦っていくのが分かる。


でも……



「き、気のせいじゃない?そんなことある訳ないじゃない!」



必死で冷静なふりをして、陽生に笑顔を向けた。


まずい、鋭い……


まさか、こんな風に感づかれるなんて思ってもみなかった。



「けど、この匂い……」

「きゃっ…」



まるで犬のような仕草。


首筋や胸元にクンクンと鼻を近付けられて、私はピキンと体を硬直させる。