陽生がじっとこっちを見てるのが分かる。
「ちょ、ちょっと！くすぐったいから」
ていうか、やりにくい。
それでもサラサラと動きをやめようとしない陽生に、不覚にも顔が熱くなってしまう。
「もう……」
「果歩、少し顔上げて？」
その瞬間陽生の手が後頭部回り、グイっとそのまま引き寄せられる。
「――っ！」
そして唇に感じた、柔らかな感触。
そっと触れるだけのキスをした陽生が、少しだけ顔を離して優しく笑う。
その表情がやっぱり悔しいほど色っぽくて……
「ちょっと！」
「悪い、そこに美味しそうな唇があったから……」
なんて悪びれもなく笑い、再び顔を近づけてくる。
