そんな私を見てすかさず手を掴む陽生。
「こら、何で逃げるんだよ」
「い、いやいやいや、意味が分からないから!」
私は訳が分からず思いっきり手を横に振る。
だって脱がせて、だなんてそんな唐突な…
「こ、ここ病院だよ?」
「ん、知ってる。だから、ほら」
そう言って掌にパフッと乗せられた生温かい感触。
ふわふわと、それは柔らかくてとても手触りが良いものだった。
「えっ、タオル??」
「そう、悪いけどこれで体拭いてくんない?」
そう言って、怪我した腕を指さす陽生にハッとした。
ああ、なるほど……
「そういうことね」