名前は神埼ミサ。
仕事はプロのファッションモデル。
4年前拒食症で倒れ、その当時俺が働いていた病院に運ばれてきたのが出会いの始まりだった。
原因は極度のダイエット。
今でこそ健康的な体系に戻りつつあるけれど、その当時は目に見えて悲惨な状態だった。
ほぼ、骨と皮できていると言っていいほど痩せこけていて、あと少し遅かったら命も危なかったかもしれない、そんな状態だった。
「あー……でもやっぱ先生は格好いいなぁ。本当私好み、ていうより、この3年でまたさらにいい男になってません?」
「……」
「あ、それより今度デートして下さいよ。その為にがんばって向こうでつらい治療にも耐えてきたんだし、それに仕事も頑張ってきたんですよ」
ねぇ?と言いながら首を傾ける彼女にまたしても俺は苦笑い。
家の都合で途中からイタリアに移った彼女。
俺が診療に関わったのは約1年ぐらいだったけれど、その間ずっとこんな調子で言い寄られていたのを今でもよく覚えている。