さてと…
俺はエンジンをかけると、再びある場所へと車を走らせた。
確かこの辺りって言ってたよな?
向かった先はあらかじめ指定された、あまり馴染みのないお店。
見ると、まだできたばかりのわりと綺麗な外観だった。
俺は駐車場に車を置き、そこへゆっくり向かい、手を伸ばす。
“STELLA”(ステラ)と書かれた店の扉を開ければ、目の前に淡い空間が広がった。
「いらっしゃいませ」
という接客供に周りを見渡せば、バーにしては思ったより広く奥ばった店内。
全体を白を基調としたインテリアに、ライトダウンした照明。
そして、大理石できたカウンター越しに見えたその人物。
俺は近づきながら声をかけようとして……
「あっ、先生」