(一対面ーSide果歩ー)
あー……さっきから何なんだろう、この状況は。
思わずため息を零しては、気が滅入ってくるばかり。
「本当可愛いよね、君って静香の友達?マジで俺のどストライクなんだけど」
「………」
はっきり言ってうっとおしい。
さっき静香さんを見送ってすぐ、突然声をかけられたと思ったら、何故か見知らぬ男性が一人立っていた。
名前は自称、椎名悟。
年は陽生とちょうど同じぐらいか、はたまた少し上ぐらい?
軽い言葉とは裏腹に、上品にスーツを着こなした彼はなんと、どうやら陽生と静香さんの従兄弟らしいから驚きだった。