……それにしても、果歩は何処にいるんだろうか?


さりげなく辺りを見渡してみては、俺の視界にはその姿は一向に入ってこない。


ザワザワと群がる人だかり。


俺が気付かないだけで、もうすでに果歩は俺の存在を何処かで見ていたりするのかもしれない。


そう思うと、少なからずとも罪悪感みたいなものが生まれてくる。


さっきは神埼ミサにあんな強気な発言をはいたものの。

正直、今日のことをちゃんと説明できてない自分の不甲斐なさに、少しならずとも冷静とは言えなかった。


同じ場所にいるのに会えないもどかしさ。


妙な寂しさを感じながらも、果歩の隣には静香がいる。


それだけがせめてもの救い。


なるべく不安にさせないように、そのために今日静香を果歩に付かせたんだ。


何があってもいいように、一応ボディーガードのつもりで……