きっと俺はこの恋を守り抜くだろう。


そんな思いを秘めながら彼女から視線を反らす。



「さてと、忠告は……立ち話はここまでにしてそろそろ会場の方に向かおうか」


「………」



顔を引きつらせる彼女にもう一度笑いかけた。


俺って案外腹黒いのかも?


固まったまま動く気配がない彼女に目をやりながらも、俺は空気を変えるように目を細め



「行かないの?」


「あ、いや……」



戸惑ったように視線を泳がせた彼女が罰が悪そうに恐る恐る顔を上げる。


「先生って……案外容赦ないんですね」


「ふっ、今頃気づいたの?」


「もっと冷静で紳士な人だと思ってました」


「買被りだよ。俺だって人間だからね。一人の男として好きな女のためなら鬼にだって何にでもなるよ」



俺だって完璧な人間じゃない。


余裕なんて言葉は程遠い。


今までの自分を180度ひっくり返すような本気で真剣な恋なんだ。


ここで壊されるわけには絶対にいかない。