何で俺がこんなことに……


今日は彼女の誕生日らしい。


そのせいで何故か俺がこんなことをする羽目になったのは、さかのぼる事少し前の話し。



「じゃじゃーん、こんばんは椎名先生。先生も今週のパーティー出られるんですよね?」



仕事帰り、病院で待ち伏せしていた彼女に捕まった事が全ての始まりだった。


どこでそんな情報を聞きつけたのか、誕生日の記念にどうしても俺と一緒に会場を回りたいといって聞かなかった。



「一緒にいてくれないならこの先もずっと付きまといますよ!地の果てまで追いかけますからっ!」



なんて半ば脅しまがいの真剣な言動に俺は不覚にも口をつむぐしかなくて、直感的に嫌な予感がした。


この調子じゃいつか果歩にも変な危害が及ぶような気がして、どことなく妙な胸騒ぎを感じたからだ。