「酔ってねぇー」
それでもそんなことを口走る陽生に、本気でビク付いた私。
いや、酔ってるよね。
かなり酔ってるよね。
思いっきり目がすわってる陽生を前にして、私は大きく身ぶるいをするばかり。
「陽……」
「果歩」
突然、陽生が右頬に大きな手を当てた。
戸惑う私を気にすることなく、もう片方の手も私の頬を包み込んで、そしてグッと顔を近づけて……
「俺から離れるなよ……」
「えっ…」
「この先何があっても俺だけを信じてくれ」
驚くほど真剣な声だった。
そして熱い視線。
真っ直ぐ射抜く様に見つめられて、私はもう目の前の瞳を見つめ返すことしかできなかった。