あ、静香さんも少し酔っぱらってるのかな。


ふと見えたその横顔が、いつもよりほんのちょっぴり赤く見えて、すごく色っぽい。



「ああ、うん。ちょっとね。ここ最近ずっとあの人と派手にやりあってたからさ」



静香さんがコキコキと肩をほぐしながらさりげなく足を組んだ。



……ん?あの人?



「さすがの陽生も今回ばかりは結構参っちゃってる感じなんだよね」


「え……、参る?」



陽生が?

何に??



「まぁ、あの非常識な頑固親父が相手だからしょうがないって言ったら、しょうがないんだけどさ」



本当どうしようもないわ。


そう言って少しだけふぅ…と真顔になった静香さんが、突然黙り込んで私を見た。


そして何を思ったのか、そのままゆっくり立ち上がり私の手をぎゅっと掴んで少し強めの口調でこう言った。