もう、本当に不器用なんだから。


分かりにくいんだよ。


でも、その不器用さがけっこう好きだったりするんだけどね。


いつもそうだった。その優しさに、今までとても癒されてきたんだ。



「ううん、大丈夫、そんなことないよ。すっごく順調だから」



自分でも恥かしいぐらい、すごく大事にされてると思う。


そう照れながらすぐに返事をすると、直輝が少しつまらなそうに煙を吐いた。



「あっそ」


「うん、後藤が言ってたでしょ?ただ私が勝手に寂しがってただけっていうか、拗ねてるだけだから」



あえて電話のことを言うのはやめた。


きっと私の考え過ごしかもしれないし、それに直輝にあまり余計な心配をかけるのもどうかと思ったから。



「そっか、ならいいけど……まぁ、でも何か困ったことがあればいつでも言えよ。相談ぐらいはのってやるから」


「えっ」


「つーより、お前はいつも一人で溜め込むだけ溜め込んで、最終的に一気に自爆するタイプだから気が抜けねーんだよ」



あー……、それはすいませんでしたね。


何もそんなふうに言わなくても……


そう思いつつも、そんな直輝の気遣いが嬉しくて、私は素直に頷いてしまう。