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目が覚めると
「昔の棲みか」にいた――。


いつものように
後ろから惺に抱きしめられながら

そこにいた。


こんな朝は初めてだった。


状況が理解できず
昨日の夜を思い出そうとしたとき

いつもとは違うにおいが混じっていることに気付いた。


「ああ……」


小さく漏れた声に
惺が目を覚ます。



「おはよ」



眠たげな掠れ声とともに
霞月の耳元に柔らかい唇が触れた。


「……うー、腰痛い」


惺は泣きごとのように
「腰は男の命なのに」とぼやいている。

どんなにクッションを積んでも
床は床だ。

硬すぎる。


久しぶりの感触に
霞月も身体中の筋肉が悲鳴を上げていた。



「ツキヒメ
 よくこんなところで寝てたね」



苦笑しながら
無理やり体を起こした惺の関節が
あちこち軋んで音を立てている。


「起こして」と
差し出した手を
惺が反動をつけて
「えい」と引っぱりあげた。


あまりの痛みに
顔をしかめながら

霞月は恨みがましい視線を
ふかふかのベッドに送った――…




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