『 K. Sohma 』




暫く見つめて

思い当たるところがあった。




「あ……」




圭介が出した声に

河合が好奇心丸出しの表情で
身を乗り出してくる。



「ソウマ?

 一年生にそんな名前の生徒
 いましたっけ?」



河合が覚えていないのも無理はない。

なぜならその生徒は――…




「ソウマってあの相馬?」




河合のつぶやきに

拓真は当然即座に反応した。



「Kって霞月のKじゃね?」



圭介の思考をそのまま声に出すかのような拓真の声を聞きながら

教科書を閉じると
河合に断りを入れて立ち上がった。


机の端に挟んである時間割は
次が間違えなく空き時間であること示している。




先ほどと同じように窓から身を乗り出し

ただし今度は『上』を見上げて


職員室をあとにした――。