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目の前にいるこの若い教師を
心から可哀そうだと

霞月は彼に憐みの視線をそっと送った。



年齢的にはきっと新卒か何かのはずだ。


いくら副担任とはいえ
自分が受け持つクラスに

不登校だったくせに
やっと出てきたと思ったら
あちこち怪我をしているような問題児がいたら

できる限り関わり合いたくないと
霞月なら思うはずだ。



彼はわけもわからず
このゴタゴタを目にしてしまったのだ。


見て見ぬふりなどできなさそうな

悪く言えば
お節介そうなそんな目をした教師だ。



(全部なかったことにして忘れちゃえばいいのに……)



霞月はそっと思う。



(――誰も責めたりしないのに……)



殴られた頬より
傷つき血の流れる肘よりも


戸惑った視線を向ける彼に心が痛んだ。





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