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自分の失態に気付いていた――…。



倒れてしまったことも、

気付かれしまったことも――。



(早く起きなくちゃ)


夢だとわかる夢の中で
霞月は必死にもがいた。


(余計なやつらが
 余計なことをしないうちに……)


夢の中で
掴まれた腕を振りほどきながら
焦りが強くなる。


(夢から、出なくちゃ……)


素肌に這う熱い舌の感覚。
男をにおわせる節ばった手。


(早く……早く……!)


しかし夢は

覚めろと思えば思うほどに
深くはまっていった――。



気がつくと
またあの暗い部屋で

あの人が笑みを浮かべていた。





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