それから毎日
彼女はちゃんと学校に来るようになっていた――…
相馬霞月が登校してくるようになり三日。
教師の反応は
授業を全く聞いていないという苦情
当てれば全て正答するという驚嘆
その両者だった。
現に圭介の授業中も外ばかり見ている。
教科書もノートも開いていない。
よく見たら
シャープペン一本出していなかった。
窓際の前から二番目の席。
肘をついた手に顎を載せながら
窓の外、どこか遠くを眺めていた。
二か月も学校に来ていなかった生徒相手に大人げないと思いつつも
彼女の名を呼ぶ。
「相馬」
霞月は面倒くさそうにゆっくりと
黒目がちの瞳を圭介に向けた――。