(バカか、俺は)
自分の失態に
情けなさが倍増にする。
「センセー起きたし
私シャワー浴びてくる」
そう言って立ち上がった霞月は
おそらく惺のものと思われる
大きすぎるTシャツ一枚だけ着て
惜しげもなく白い脚線美を
圭介と惺に晒しながら
廊下のほうへ歩いていった。
霞月に「はいよ」と
返事をした惺は
浴室と思しきドアの向こうに
彼女が消えると
ニヤリと笑って圭介を見る。
「いい眺めでしょ?」
唖然としている圭介に
惺は「くくっ」と面白そうに笑って
またキッチンに戻った。
「センセーなんか食べる?
食欲ないならスープとかあるけど」
「え?」
聞き返すと
対面式のキッチンカウンターから
惺はヒョコッと顔を覗かせた。
「俺、料理うまいよ。
ツキヒメ餌付けするのに心血注いだから」
コンロに火がつく音が聞こえた――…