「別に深い意味はない。だいたい、ハルカのことだって呼び捨てだろ?」

「それは、そうなんだけど……」

そう言いつつ、ハルカが自分から俺の胸に顔を埋めてきた。

「私、リュウのこと知れば知るほど好きになってる。多分、もっともっと好きになるんだと思う。自分でもどうしていいのかわからないほどリュウのことが……好き。大好き」

「俺は、違うな」

「えっ!?」

俺の言葉に、ハルカがパッと顔を上げた。

今にも泣き出しそうだ。

「俺の気持ちは、本当は好きという言葉じゃ言い表せない」

「それって、どういう……」

次の言葉はさすがに少し照れくさかったので、再び腕に力を込めてハルカの顔を俺の胸に埋めた。

「愛してる。誰よりも。もう、他の誰かがお前に触れるのを見るのは嫌だ。だから、俺だけのものになってくれ。これから、ずっと俺の側にいてくれ」

「リュウ……」

ハルカが腕の中から少し強引に顔を上げると、再び少し潤んだ瞳を見せて見上げてきた。

「うん、いるよ。嫌だって言われたってずっと側にいる」

そして、誰をも幸せにしてしまうような極上の笑顔を見せてくれた。

できれば、この笑顔は俺にだけ向けて欲しいんだけどな。